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御曹院ハザマ日記 1:00~2:00

  • ひげまみれのらじ
  • 2022年1月19日
  • 読了時間: 1分


 更に御曹院シオンとして暮らしてみて。




 ──ようやく"人並みの生命"として初めて取り扱われることに浮かれた感覚から

 少うしだけ落ち着いてきてみて、僕は思う。



 向こうの僕──

 「御曹院シオン」がどういった理由でもうひとりの人格を作り上げたのか。

 僕にはそれがよくわかる。

 そりゃあ、彼は僕自身でもあるのだから、当然なのだけれど。


 まあ、つまりこういうことだ。

 『御曹院シオン』は自身の為にこそ『御曹院シオン』でなくてはならなかった。

 それがどういうことかは想像に難くないだろう?

 そうでもない?


 例えるなら、僕がフリちゃんから『医者』であることを望まれたこと。

 これと同じようなことかもしれない。

 僕はそれを重圧に感じることはないさ。

 だってそれが僕の存在している理由だから。



 けれどシオンは違うんだろうね。

 彼にとって『御曹院シオン』であるということは義務であり重圧であり…

 ──おそらくは、何よりの希望だ。


 それこそが僕とシオンとの相違点。


 僕がイバラシティに適応するにあたって、与えられた『生命』であると判断した。

 彼が別人格を作らなくては彼を維持することが困難なほどに苦しんでいることが

 僕も彼であるが故に痛いほど、苦しいほどにわかるというのに。


 どうして僕はこんなにも、『御曹院シオン』に焦がれるのだろうか。


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